高校野球史において、2015年の春は北陸球界の運命が大きく変わった転換点だった。かつて「雪国のハンデ」という言葉が囁かれていた時代を過去のものへと追いやったのが、敦賀気比の圧倒的な攻撃力だった。平沼翔太らを擁した当時のチームは、満塁ホームランが飛び交う歴史的な打撃ショーを繰り広げ、北陸勢初となる選抜優勝の栄誉を手にした。
あの春の快進撃は、単なる一地方校の優勝という枠を超え、北信越地区全体のレベル底上げを決定づけた。相手投手がどれほどプロ注目の逸材であろうと、狙い球を絞り込んで一振りに仕留める集中力。その DNA は10年以上の歳月を経た現在も脈々と受け継がれており、甲子園のアルプススタンドを歓喜で染め上げる原動力となっている。