すべての始まりは、あまりにも残酷なすれ違いだった。父であるエンデヴァー(轟炎司)は、自らの野望を果たすための手段として子供たちを捉えていた。幼い彼に宿った炎は父を凌駕する熱量を秘めていたが、母・冷から受け継いだ身体は熱に耐えられない性質だった。この個性の矛盾こそが、彼を狂気へと追い込む引き金となる。
父から拒絶され、存在理由を奪われたと感じた少年は、認められたい一心で山へ向かい、自らの炎に飲み込まれた。「僕を見てくれ」という切実な願いは誰にも届かず、やがて復讐心へと変貌していく。ヒーロー社会の華やかな光の裏で生み出されたこの悲劇は、過剰な期待とネグレクトが人間をどう破壊するかを過酷なまでに物語っている。