7回裏、2死一、三塁。敗色濃厚だった虎党のフラストレーションを、一瞬で吹き飛ばす一打が破裂音とともに打ち上がった。
まずは3番打者。槙原の投じたバックスピンのきいた直球を、バットの芯で完璧に捉える。打球は一直線に中堅スタンドへ。場内が騒然とする間もなく、続く4番打者が初球の甘いフォークを仕留めた。白球は吸い込まれるように同じバックスクリーン右横へ着弾する。そして仕上げは5番打者だ。追い込まれながらも腕をたたみ、ライナー性の打球を中堅左へ叩き込んだ。わずか数分の出来事。これが語り継がれるバックスクリーン3連発である。
スタンドのボルテージは沸点を超えた。悲鳴と歓声が交錯する中、ベンチのナインは抱き合い、相手投手は呆然と立ち尽くすしかなかった。この奇跡的な連発劇こそが、怒濤のシーズンを象徴する幕開けだったのだ。