この慣用句の歴史を遡ると、古くから親しまれてきた日本の伝統国技である「相撲」に行き着く。相撲において「揚げ足」とは、相手が技を仕掛けようとして片足を上げた瞬間の足、あるいはその状態を指す。その隙を見逃さず、上がった足を取って倒す技法が「揚げ足を取る」の原型だ。
かつては勝負の機微をとらえた鋭い反撃を称えるニュアンスも含まれていた。しかし、時代が下るにつれて意味合いは変化した。現在では、本来の議論の筋道から外れ、相手の不注意や些細な隙を攻めて論破しようとするズルい手段、あるいは嫌がらせのような非建設的な態度を揶揄する言葉として広く定着している。