飲酒のコントロールが完全に効かなくなると、身体的にも深刻な変化が現れます。特に体内のアルコール濃度が低下した際に出現する「離脱症状」は、病気が中等度から重度へ進行した決定的な証拠です。
代表的な離脱反応が、朝方や禁酒後数時間で生じるアルコール離脱症状の手の震えです。指先が小刻みに震えてコップの水がこぼれる、文字がうまく書けないといった症状のほか、大量の寝汗、動悸、強い焦燥感、不眠、吐き気などが一斉に襲いかかります。この苦痛から逃れるために再び飲酒を繰り返す「連続飲酒」に陥ると、個人の意志の力だけで抜け出すことは不可能です。
精神医学的なアルコール依存症診断基準(ICD-10 / DSM-5)では、過去1年間に以下の状態が3項目以上認められる場合に依存症と診断されます。
- 飲酒したいという強い欲望や強迫感がある
- 飲酒の開始、終了、または飲酒量のコントロールが困難である
- 飲酒を中止または減量したときの離脱症状の出現
- 以前と同じ効果を得るためにより多くの量を必要とする(耐性の増大)
- 飲酒のために他の楽しみや興味を無視し、飲酒や酔いから覚めることに多くの時間を費やす
- 心身に明らかな有害な結果が生じているにもかかわらず、飲酒をやめられない