「あの、ほら、いつも主人公の母親役で、ちょっとヒステリックな演技をする人……」。私たちは検索エンジンに、名前ではなく「特徴」を入力します。GoogleやSNSのアルゴリズムは進化し、今や「ドラマ 母親役 髪型 ショート 50代」といった曖昧なワードでも、目当ての女優に辿り着けるようになりました。
この技術の進歩が、皮肉にも「名前を覚えなくてもいい」という環境を作っています。しかし、一度その名前――例えば、江口のりこや筒井真理子、あるいは劇団出身の知る人ぞ知る名優たちの名を知ったとき、視聴者は彼女たちの過去の出演作を貪るように見始めるのです。