日本国内においてアニマトロニクスの最高峰を日常的に体感できる場所といえば、やはり二大テーマパークです。
ディズニー アニマトロニクスは、東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」や「美女と野獣“魔法のものがたり”」において、世界最高水準の到達点を見せています。電気デジタルアクチュエータへの全面移行により、かつての油圧・空圧システムにあったわずかなブレや機械作動音が完全に消滅。キャラクターが流れるような身のこなしで歌い、衣服の布地が重力に従って自然に揺れる様は、SNS上でも「もはや生きた人間が特殊メイクをしているようにしか見えない」と連日驚嘆の声が上がっています。
一方、USJ アニマトロニクスは、臨場感あふれる生物的ダイナミズムに定評があります。「ジュラシック・パーク・ザ・ライド」の巨大恐竜群をはじめ、視覚のみならず風圧、水飛沫、振動とともにゲストへ迫り来る物理的アプローチは、テーマパークならではの身体的恐怖と興奮を創出しています。
さらに近年、ポップカルチャーの領域で爆発的なムーブメントを巻き起こしたのが、インディーホラーゲーム発の映画『FNAF(Five Nights at Freddy's)』アニマトロニクスです。ピザレストランのステージで歌い踊るはずのマスコットロボットたちが、夜間に狂気に満ちた徘徊を始めるこの作品において、制作陣はCGではなく『セサミストリート』などで知られるジム・ヘンソン・クリーチャー・ショップに実物のアニマトロニクス製作を依頼しました。
ネット上の考察コミュニティやファンフォーラムでは、「本物の鉄と毛皮が存在するからこそ漂う、錆びたオイルの匂いや重量感がスクリーン越しに伝わる」「CGモンスターにはない、現実にそこに立っている不気味さに鳥肌が立った」といった熱狂的なレビューが殺到。CG慣れしたZ世代やデジタルネイティブ層にとっても、「物理的に作られた機械が意志を持って動く」という体験が極めて新鮮な恐怖として機能することを証明しました。