電子セキュリティがどれほど突破されやすくなろうとも、金属製の物理ロックは窃盗犯にとって最大の精神的・時間的障害となる。しかし、「とりあえず安価な防犯グッズを買っておけば安心」と考えるのは非常に危険だ。ハンドルロックの選び方には、多くのドライバーが見落としがちな深刻な落とし穴が存在する。
第一の落とし穴は、「切断に対する強度の盲点」だ。ホームセンターやネット通販で売られている安価なモデルは、薄い金属パイプや柔らかい合金で作られているケースが多い。プロの窃盗団が携帯する小型ボルトクリッパーや充電式グラインダーを使えば、わずか数十秒で切断されてしまう。見た目だけの威嚇効果に過ぎない製品を選んでしまうと、被害を食い止めることはできない。
第二の落とし穴は、「ハンドル自体の切断」である。頑丈な鋼鉄製ハンドルロックを装着していても、窃盗犯がステアリングホイールの合皮やウレタン部分を鋸などで切断し、ロック本体をすり抜くように取り外してしまう手口がある。スポーク部分をしっかり固定できる形状か、あるいはホーンパッド部分を覆うプレート構造が付いているかを確認しなければ、防犯効果は半減してしまうのだ。
第三の落とし穴は、キーシリンダーの防犯性不足だ。シンプルな鍵穴構造のモデルは、ピッキング工具によって簡単に開錠されてしまう。ディンプルキーを採用しているか、あるいは構造的に解錠が困難な特殊キーを採用しているかを厳しく見極める必要がある。