本作を語る上で絶対に外せないのが、風間杜夫演じる村沢教官の元婚約者・新藤真理の存在だ。片平なぎさが演じたこのキャラクターは、日本のテレビ史に刻まれる最恐のライバルとして語り継がれている。スキー事故で両手を失い義手になった真理が、ピアノの前で黒革の手袋を歯で引き抜くシーンは、全国の子どもたちを震え上がらせた。
「ヒロシ、私のこの手を見てごらんなさい」という冷徹な脅迫。情念と狂気が入り混じった片平なぎさの凄絶な演技は、清純派女優としてのイメージを根底から覆し、悪女・怪演女優としての不動の地位を築く契機となった。千秋と村沢教官の純愛に立ちはだかる絶対的な壁として、彼女の放つダークな存在感は作品の推進力そのものだった。