医療従事者としての本業と、競技野球の両立は決して容易ではない。選手の多くは当直明けや夜勤前という条件でグラウンドに立つ。疲労がピークに達していても、彼らが泥にまみれる理由は何なのだろうか。
「手術室での緊張感から解放され、白球に集中する瞬間が、最高のメンタルリセットになる」とチームの主力選手は語る。精神的な負荷が高い医療現場だからこそ、スポーツが持つ純粋な没頭感が不可欠なのだ。
分刻みのスケジュール管理
練習時間の確保には工夫が凝らされている。全体練習は週末の早朝や祝日に限られるため、個人練習が中心となる。病院の敷地内に設けられた簡易投球練習場やトレーニングルームを活用し、勤務の合間に短時間で質の高いトレーニングを行う姿勢が定着している。
シフト制を克服する補完システム
突発的な緊急手術や急患対応が入れば、試合当日に主力が欠場することもある。和合病院野球部では、全員が複数のポジションを守れるユーティリティ性を重視したチーム作りを進めてきた。一人が欠けても全員で補う。この助け合いの精神は、医療チームのバックアップ体制そのものである。