「Beat It」の歌詞の中で最も挑戦的なのは、「男らしさ(Macho)」という概念への真っ向からの否定だ。作中にはこんな衝撃的なフレーズが登場する。
「You wanna be tough, better do what you can / Don't wanna see no blood, don't be a macho man(強がりたいなら出来ることをしろ、血を見たくはない、マチョぶるのはやめろ)」
当時のポップカルチャーでは、力で敵をねじ伏せる強い男性像がもてはやされていた。しかしマイケルは、メンツやプライドのために拳を振るうことの愚かさを暴き出した。「どちらが正しいか、どちらが間違っているかなんて関係ない」と言い切り、プライドを捨ててその場を去ることこそが、自分の命と未来を守る真の強さだと歌い上げたのだ。