手軽な料理である反面、調理現場ではいくつかの誤解によって仕上がりのクオリティが損なわれているケースが散見されます。最も顕著なのが「ツナ缶の油(オイル)の扱い」です。
カロリーカットを意識するあまり油を完全に捨ててしまう方がいますが、これは旨味の大きな損失に繋がります。ツナ缶のオイルには、マグロやカツオの身から溶け出した高濃度の脂溶性旨味成分が凝縮されています。ワンパンパスタにおいては、ツナ缶をオイルごとフライパンに投入し、水分とともに乳化させることがパサつきを防ぎ、滑らかな舌触りを作る必須条件です。
また、火加減の調整にも注意が必要です。パスタを茹でる水分量が多すぎると味がぼやけ、少なすぎると芯が残ってしまいます。パスタ100gに対して水分量は320ml〜350mlが適正基準であり、沸騰後は中弱火で蓋をし、表示茹で時間の1分前に蓋を外して強火で一気に余分な水分を飛ばしながらタレを絡めるのが、ベタつきを防ぐ鉄則です。