浴場へ足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのは視界を遮るほどの湯気と、赤褐色に染まった湯船だ。この濁り湯の正体は、地下1,500メートルから湧出する高濃度の天然温泉。湧き立ての源泉は無色透明だが、空気に触れることで含まれる鉄分が一気に酸化し、独特の黄金色へと変化を遂げる。
特筆すべきは、炭酸ガスと塩分が極めて高い密度で共存している点だ。浸かって数十秒で、微細な気泡が肌を包み込み、毛細血管をダイレクトに拡張させていく。血液が体中を駆け巡る感覚とともに、芯からドクドクと湧き上がる温もり。関西屈指の名湯として知られる有馬温泉の金泉にも引けを取らない成分の濃さは、まさに大地のエネルギーをそのまま濃縮したかのようだ。