草壁サツキとメイの日常に魔法のような輝きを与えているのが、作曲家・久石譲による音楽だ。「さんぽ」の快活なリズムから、メイが行方不明になった際の不穏さと焦燥を煽る劇伴に至るまで、音のテクスチャが少女たちの心理描写と完璧にシンクロしている。
久石の手がけたメロディは、単なる背景音楽の枠に留まらない。メイが森の奥へと足を踏み入れる瞬間の神秘性、トトロの胸の上で微睡む瞬間の安心感など、言葉で説明し尽くせない感情の襞をオーケストレーションとシンセサイザーの融合で見事に掬い上げている。視覚と聴覚が不可分に結びついたこの音響体験こそが、作品を不朽の名作たらしめている。