山口百恵(現・三浦百恵)は1959年1月17日、東京都で生まれた。オーディション番組『スター誕生!』をきっかけに芸能界入りを果たし、「花の中三トリオ」の一角として一躍スターダムへ駆け上がった。
『横須賀ストーリー』『プレイバック Part 2』『いい日旅立ち』『秋桜』——。数々の名曲を世に送り出し、圧倒的な表現力とクールな眼差しで日本中を魅了した。しかし、彼女が歌謡界の頂点に君臨していた期間は、実はわずか7年余りに過ぎない。
1980年10月5日、日本武道館。白いドレスに身を包んだ彼女は、ラストコンサートの最後にマイクをステージの上に静かに置いた。当時、弱冠21歳。結婚という人生の大きな決断とともに、未練を一切残さず表舞台を去ったその姿は、昭和の芸能史において最も劇的で美しい伝説として刻まれている。