水元公園の地理的特徴は、捜査を極めて困難なものにした。埼玉県三郷市と隣接し、県境をまたぐ網の目のような水路と細い路地が入り組んでいる。犯人は犯行後、どのルートで逃走したのか。当時の目撃証言には、いくつかの矛盾点が存在していた。
「白いセダンが急発進していった」「いや、不審な男が自転車で走り去るのを見た」。錯綜する情報のなかで、警察は水元公園の北側ルートを重視していた。しかし、近年の防犯カメラ画像復元技術により、当日の夜間に現場付近を通行した車両のナンバープレートが一部特定されたとの情報もある。点在する目撃情報が、四半世紀の時を経て一本の線へと繋がり始めている。