なぜ人は、左右に揺さぶられると激しい吐き気や恐怖感を抱くのか。答えは、私たちの耳の奥にある前庭器官の構造にある。直立二足歩行を獲得した人類の身体は、重力に従う上下の運動に対しては比較的高い適応力を持つ。しかし、予期せぬ左右への変位には即座に対処できない。
東京の先端医学研究所が2026年末に発表した臨床データによると、視覚情報と内耳が感知する加速度のズレが左右方向に生じた際、脳内のストレスホルモン(コルチゾール)の分泌量が急激に跳ね上がることが確認された。特に低い周波数でじわじわと続く揺れは、自律神経系を直接刺激する。自覚症状がないまま深刻な「揺れ酔い」や自律神経失調症状が進行するケースも少なくない。