店舗のバックヤードに足を踏み入れると、そこには熟練のスタッフによる手作業の緊張感が漂う。生地を上下ふたつに切り分け、ホイップクリームを全周にわたって絞り出す工程。クリームが多すぎると一口目の軽やかさが失われ、少なすぎると後味に物足りなさが残る。
さらに圧巻なのはチョコレートのコーティング作業だ。全ノセではなく「あえて半分だけ」にチョコを浸す。このアンバランスさこそが、ひとくち毎に味わいの表情を変える仕掛けになっている。チョコのある部分の濃厚さと、ない部分の純粋な生地とクリームのコク。一皿の中でストーリーが完結するよう作られているのだ。