東京都もまた、地下空間の環境保全に向けて重い腰を上げた。2026年度予算において、都営地下鉄および東京メトロの老朽化駅舎における石綿除去作業への補助金枠を拡大。同時に、定期的な空気環境測定結果のWebサイト上での即時公表を義務付ける条例改正の動きも見せている。
行政がここまで踏み込む背景には、首都直下地震への備えという緊急の課題がある。万が一の巨大地震発生時、地下駅舎の天井や壁が崩落した場合、そこに封じ込められていたアスベストが一気に市街地へ飛散する破局的シナリオを防止しなければならないからだ。
ロードマップでは、2030年までに全路線・全駅における吹付けアスベストの完全無害化および解体・除去を完了させる目標が掲げられているが、現場の人手不足や資材高騰が壁となり、スケジュールの遵守には不透明さも残る。