炭火の上でプツプツと泡を立てる味噌タレ。竹串に刺さった大きな扇形のシルエット。TikTokやInstagramに投稿されたわずか15秒の動画が、すべての始まりだった。視覚的な面白さと、食欲を刺激する音、そして焦げたタレの香りを想像させる映像が、デジタルネイティブ世代のタイムラインを駆け巡ったのだ。
「とにかく見た目が愛らしい。食べるとすごく香ばしくて、心が落ち着く。パフェやケーキにはない温かみがある」と、表参道のポップアップストアを訪れていた20代の女性は語る。派手な見た目を競い合う洋菓子が一巡した2026年のトレンドにおいて、無添加で素材そのものの味わいが生きる素朴な和菓子への原点回帰が顕著になっている。