2010年代半ば、大阪の谷町六丁目エリアに突如として現れたひとつの店舗が、その後の日本の酒場文化を大きく塗り替えることになった。古き良き大衆食堂の良さを再解釈し、ストリート感あふれるグラフィックや音楽をミックスさせた空間づくり。それがすべての始まりだった。
それまでの居酒屋業界は、チェーン店による低価格競争か、あるいはこだわりを前面に出した高価格帯の専門店かに二極化していた。そこへ一石を投じたのが、圧倒的な手頃さと質の高い料理、そして何よりも「かっこいい空間」を両立させたスタイルだ。気づけば「ネオ大衆居酒屋」というジャンルそのものが定着し、全国へ伝播していった。