歴史を遡ると、左右で異なる色の瞳を持つ存在は常に人々の畏怖と崇拝の対象だった。古代オリエントや中東の伝承では、異色の瞳を持つ猫は「神の使者」や「家運を立ち開く幸運の象徴」と信じられてきた。日本においても、片目が金(黄色)、片目が銀(青または白)に見える個体は「金目銀目」と呼ばれ、商売繁盛や福を呼ぶ吉兆として珍重された歴史がある。
人間界の歴史的英傑や文化的アイコンにも、オッドアイにまつわるエピソードは尽きない。世界帝国を築いたアレクサンダー大王は、一説には左右の瞳の色が異なっていたと伝えられ、その覇気溢れる眼光が伝説として語り継がれている。また、音楽界の巨星デヴィッド・ボウイは、少年の頃の負傷による瞳孔散大(瞳孔大小不同)によって左右の目が異なる色に見えたことで知られるが、そのミステリアスな眼光はオッドアイの美学をポップカルチャーの中に決定的に根付かせた。