本作における佐野勇斗の役名は高野和樹(たかの かずき)。菅野美穂演じる主人公・高野亜紀の息子であり、妹想いで母親を助ける心優しい高校生として登場します。しかし物語が進むにつれ、彼が裏で見せる不穏な表情や怪しい行動が視聴者の疑惑を掻き立てました。
実は和樹は、亜紀の実の子ではありませんでした。父・健一(田中直樹)の前妻である佐久間弓子(松嶋菜々子)との間に生まれた子どもだったのです。かつて弓子が犯した罪の過去や、自分が本当の家族ではないのではないかという疎外感に苦しみ、不良グループとの付き合いや盗撮といった非行に手を染めていました。
温かい笑顔の裏に隠された孤独、実母と育ての母の間で激しく揺れ動く葛藤を、佐野勇斗は繊細な目の動きや声のトーンの変化で見事に体現しました。視聴者を欺く二面性のあるキャラクターを完璧に演じ切ったことが、物語のスリルを大きく引き上げました。