コミカルな寺男のイメージが強い佐藤蛾次郎さんですが、その俳優としての経歴は非常に長く、確固たる演技力に裏打ちされたものでした。大阪府出身の蛾次郎さんは、1953年に児童劇団に入団して子役としてキャリアをスタート。若い頃から舞台やテレビドラマで頭角を現していました。
芸名である「蛾次郎」は、端整な顔立ちだった若手時代に先輩俳優から「蛾のように夜になると元気に飛び回る」というユニークな理由から名付けられたというエピソードも有名です。1968年のフジテレビ版ドラマ『男はつらいよ』への出演を機に一躍脚光を浴び、映画版へのレギュラー出演へとつながりました。
その後も『天下御免』『泣いてたまるか』といった名作や、『太陽にほえろ!』『水戸黄門』をはじめとする数々の国民的ドラマにゲスト出演。時代劇から現代劇の悪役、コミカルな小悪党から心優しい隣人まで、画面に映るだけで空気を一変させる名バイプレーヤーとして半世紀以上にわたり第一線で活躍しました。