この前例の少ない挑戦をサポートしたのが、米屈指の有力スポーツ代理人事務所「ワッサーマン・メディア・グループ(Wasserman)」です。ダルビッシュ有投手や鈴木誠也選手らを担当してきた凄腕エージェントのジョエル・ウルフ氏が主導し、MLB各球団のフロントに対して極めて綿密なプレゼンテーションを展開しました。
米球界スカウト陣による佐々木朗希へのMLB評価は、極めて高い水準で一致しています。常時100マイル(約160.9キロ)を超える直球と、空振り率50%超を記録する落差の鋭いフォークボール(スプリッター)は、すでにメジャーのサイ・ヤング賞クラスと評価されていました。一方で懸念されていた「年間を通じた耐久性」についても、ウルフ氏らは最新のバイオメカニクスデータを開示し、球数管理とリカバリー体制の適正化を各球団に提示することで評価を盤石なものにしました。
マイナー契約からスタートさせることによって初期投資を抑えられる米球団側にとっては、リスクが極めて低くリターンが無限大の「世紀のディール」であり、争奪戦は熾烈を極めました。