実家のある座間市に戻った白石は、父親の支援を受けて座間市緑ケ丘のアパートに転居します。そして2017年8月から10月にかけてのわずか2か月あまりの間に、男女9人(女性8人、男性1人)を殺害する凶行に及びました。
犯行の手口は極めて計画的かつ卑劣でした。Twitter(現X)上で「#死にたい」「自殺募集」といったハッシュタグを検索し、希死念慮を抱く若い女性たちに「一緒に死にましょう」「話し相手になります」と偽って接触。巧みに自宅アパートへ誘い込み、睡眠薬を飲ませるなどして抵抗できない状態にした上で暴行を加え、金銭を奪い、命を奪ったのです。
公判前の精神鑑定結果では、人格障害(パーソナリティ障害)の傾向は認められたものの、善悪の判断能力や行動制御能力は完全に保たれていたと結論づけられました。検察側が指摘した犯行動機は、自殺幇助などではなく「金銭目的」と「性的欲求を満たすため」という極めて利己的かつ残忍なものでした。かつて歌舞伎町で培ったマニピュレーター(心理誘導者)としての手法が、最悪の形で殺人に転用されたと言えます。