佐川一政事件の真相と不起訴の謎|怪異の生涯と晩年・死因まで徹底解説の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

メディアからのオファーが完全に途絶えた2000年代以降、佐川一政の生活は急激に暗転します。保証人が見つからずアパートの契約すらままならない状態となり、生活保護を受けながら細々と暮らす日々が続きました。

2013年、佐川は脳梗塞を発症して倒れ、重い後遺症により言語障害と下半身不随を患いました。車椅子生活となった佐川の身の回りを世話し、献身的に介護を続けたのが、実弟である佐川純氏です。純氏は、兄が背負った拭い去れない大罪と世間からの拒絶を間近で見つめ続けながらも、肉親としての責任から介護を続けました。

この晩年の兄弟の姿を克明に記録したのが、2017年に公開されたフランス・アメリカ合作のドキュメンタリー映画『カニバ(Caniba)』(ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ヴェレナ・パラヴェル監督)です。映画はヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞するなど国際的に高い評価を受けました。画面いっぱいに映し出される老いた佐川の肉体と、自らの性的嗜好に苦悩する弟・純氏の生々しい告白は、単なる猟奇事件の枠を超えた人間の根源的な業と孤独を浮き彫りにしました。