映像化の権利を巡る水面下の攻防は、まさに異例の規模だった。米国のエンタメ業界紙関係者が明かすところによれば、当初はHBOやワーナー・ブラザースといったハリウッドの老舗スタジオが獲得に意欲を見せていたという。独自の重厚な世界観と世界的なファン層を持つ「名代」だけに、各社とも破格の提示額を用意していたとされる。
しかし、最終的に主導権を握ったのは、日本映画界の権威である東宝との強力なパイプラインを構築した陣営だった。世界配信のインフラと国内最高峰の邦画配給・制作網がタッグを組むことで、単なる海外主導のローカライズに留まらない、真のグローバル展開を見据えたプロジェクト体制が固まった形だ。