この本の恩恵を受けているのは、高齢者や視覚障害者だけではない。実は、ディスレクシア(読字障害)や発達障害を持つ子どもたち、あるいは日本語を学習中の外国人にとっても、強力なサポートツールになっている。
文字が詰まった通常の文庫本を目にすると、どこを読んでいるのか分からなくなったり、文字が躍って見えたりする現象が起きることがある。大活字本のゆったりとしたレイアウトは、こうした読字のハードルを劇的に下げる。ある教育現場の報告によると、大活字本を導入したことで、これまで読書を避けていた児童が自発的に本を開くようになったという。誰にとっても優しいデザインは、結果としてすべての人の可能性を広げることになる。