もともと『ほんとにあった怖い話』は、朝日新聞出版から刊行された同名のホラー漫画誌や単行本がルーツとなっている。紙媒体として始まった読者投稿形式の恐怖体験談が、メディアの垣根を越えてテレビ番組へと昇華した経緯は、日本の出版・放送文化における稀有な成功例だ。
初期の原案本に収録されていた怪異は、村社会の言い伝えや古風な憑依譚が中心だった。しかし時代が進むにつれ、スマートフォンやSNS、防犯カメラに映る奇妙な影といった現代特有の恐怖へとモチーフが変容してきた。表現媒体が変われど、人間が不可解なものに対して抱く本能的な恐怖の質は普遍的であることを、これらの作品群は証明している。