足裏イボの写真を見た際、多くの人が疑問に抱くのが「表面に散らばる胡椒の粒のような黒い点」です。「皮膚の中にゴミやトゲが入り込んだのではないか」と針でほじくり出そうとする人がいますが、これは極めて危険な行為と言わざるを得ません。
この黒い点の正体は、ウイルスが自身の栄養補給のために真皮から表皮へと異常増生させた毛細血管内の血栓(微小出血)です。ヒトパピローマウイルスは、自らを増殖させるために宿主の血管新生を促す性質を持っています。過剰に伸びた細い血管が角化の過程で押しつぶされ、先端部で血液が凝固して黒褐色の点として観察されるのです。つまり、黒い点が見えている状態は、病変の深部までウイルスが活発に活動し、血流を確保している動かぬ証拠となります。
足裏ウイルス性イボ初期症状の段階では、直径わずか1〜2ミリ程度の小さなザラつきや、わずかな角質のテカリとして現れるため、見落とされがちです。しかし、これを「ただの荒れ」と放置すると、ウイルスのコピー数は日を追うごとに爆発的に増加します。
足裏イボ放置で増殖する理由は、足裏特有の物理的環境にあります。歩行によって体重が常にかかる足裏では、イボが外側へ盛り上がることができず、真皮深部へと深くめり込むように侵入します(足底疣贅・ミルメシア型)。さらに、歩行の摩擦によって剥がれ落ちた角質片の中には無数のウイルス粒子が含まれており、それが周囲の目に見えない微細な皮膚亀裂に入り込むことで「自家接種(じかせっしゅ)」が発生します。1箇所だったイボが衛星状に多発し、最終的にはそれらが融合して敷石状の巨大な病変(モザイク疣贅)へと化膿・重症化していくケースが頻発しています。