「腕をもっと振れ」「前を向いて走れ」。かつてグラウンドで飛び交っていた大ざっぱな精神論は、現在の盛岡の現場には存在しない。導入されているのは、動作解析ソフトウェアと超高速カメラを用いたリアルタイムのフィードバックだ。
子どもたちが走った直後、タブレット画面には「地面を蹴る角度」や「骨盤の傾き」が可視化される。指導者は感覚論ではなく、数字と映像を基に「あと2センチ膝が高く上がれば、地上に伝える力が1.2倍になる」と具体的にアドバイスする。この客観的な納得感が子どもたちの自発的な工夫を生み出し、わずか数ヶ月で大幅な記録更新を可能にしている。