では、なぜ尾田栄一郎氏はゾロをバギーの部下から「ルフィの最初の仲間」へと大幅に変更したのか。その背景には、連載立ち上げ期における極めて高度なストーリーテリング上の計算と、キャラクター同士の化学反応への直感があったとされる。
ルフィという天衣無縫で規格外の船長を物語の軸に据えた時、その隣に並び立つのは単なる「従順な子分」ではなく、自らの野望を持ち、時には船長と対等以上の緊張感を保てる強烈な個性が不可欠だった。海賊狩りとして恐れられつつも独自の信念を貫く武士道精神の持ち主——ゾロを麦わらの一味の「最初の船員」に抜擢したことで、物語の骨格が一気に強固なものへと昇華したのだ。