大谷石は約2,000万年前の火山噴火によって生まれた流紋岩質角礫凝灰岩である。採掘直後はみずみずしい淡緑色を呈し、空気に触れることで次第に温かみのある落ち着いた黄褐色へと変化を遂げる。この独特の経年美こそが、大谷石が他の建築石材と一線を画す最大の理由だ。
機能面においても優れている。微細な多孔質構造を持つ大谷石には、ゼオライト成分が豊富に含まれる。これが優れた調湿効果と脱臭機能を保ち、室内空気を清浄に維持する働きを担う。さらに高い耐火性と保温性、遠赤外線放射効果まで備えているのだ。
かつては蔵の外壁や擁壁など屋外での使用が主流だった。しかし現在では、その機能性と意匠性が再評価され、高級住宅の壁面や商業施設のインテリア資材として欠かせない存在となっている。