現代においてこれほど再評価されているにもかかわらず、なぜ『たけしの万物創世紀』はDVD化や動画配信サービス(TVer、U-NEXT、Amazon Prime Videoなど)での配信が行われないのか。そこには、現代のメディアが直面する権利処理の極めて高いハードルが存在します。
最大の理由は、海外映像ライブラリとBGMの複雑な版権問題です。
番組内でふんだんに使用されていた高品質な学術映像・自然科学フィルムの多くは、海外の放送局(BBCやナショナルジオグラフィック等)や研究機関から「放送1回あたりの利用権」として購入されたものでした。これをDVDや配信など二次利用する場合、当時の契約とは別に莫大な再契約料が発生します。
さらに、番組の劇伴や主題歌に使用された洋楽マスター音源の権利許諾も絡み合っており、それらをすべてクリアして再パッケージ化することは、商業的に採算が合わないのが現実です。この権利の壁こそが、本作が「幻の傑作」として伝説化している主たる要因となっています。