山わさびの収穫時期は「11月中旬から翌年3月上旬」が絶対のベストタイミングです。まだ葉が青々としている夏や初秋に掘り上げても、辛味成分であるアリルイソチオシアネート(前駆体:シニグリン)の蓄積が不十分で、水っぽく香りも薄くなってしまいます。
秋の深まりとともに朝晩の冷え込みが強まり、初霜を経験した山わさびは、身を守るために蓄えたデンプンを急速に糖化させ、辛味と旨味を凝縮させます。地上部の大きな葉が黄色く変色し、完全に倒伏・枯死した合図こそが「収穫適期」のサインです。
収穫時はプランターの土を周囲から崩すように慎重に掘り起こします。中央の太い主根は食卓で楽しみ、その周りから伸びている鉛筆ほどの太さの側根(細根)は「根伏せ(ねぶせ)」用の種根として活用します。
【根伏せによる無限増殖の手順】
1. 収穫時に採取した太さ5mm〜10mm、長さ12〜15cm程度の健康な側根を選抜する。
2. 上下を間違えないよう、上部を水平に、下部を斜めにカットしておく。
3. 湿らせた川砂やおがくずを入れたポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室や凍らない日陰で春まで保管する。
4. 3月〜4月にプランターへ斜め45度の角度で埋め戻すことで、再び元気な新芽が吹き出します。