テレビドラマの枠を飛び越え、彼がスクリーンで見せる圧倒的な存在感は、日本映画の歴史にも深く刻まれている。東宝が総力を結集して世に送り出した『シン・ゴジラ』において、竹野内豊が演じた内閣総理大臣補佐官・赤坂秀樹の冷徹かつ知的なリアリズムは、国内外の批評家から絶賛を浴びた。
巨大な国家危機を前にして、理想論に逃げず冷徹に国益を計算する官僚の葛藤。映画産業が長年求めてきた「大人の男の色気と知性」を、彼は過剰な演技に頼ることなく、抑制された視線と声のトーンだけで表現しきった。生まれ育った家庭で叩き込まれた実直なモラルが、国家を背負う男のリアリティに見事に結実した瞬間だった。