17歳という年齢差は、交際初期には大人の包容力と初々しい魅力の調和として機能していた。しかし、30代を迎えて女優として脂が乗り始めた倉科カナと、50代を手前にして自身のライフスタイルが確立されていた竹野内豊との間で、時間の流れる速度に微妙な差異が生じ始めた。
倉科カナは舞台や映像作品での挑戦を渇望し、女優としての独立心と表現の幅を貪欲に広げようとしていた時期だった。家庭に入ることや妥協した結婚生活を選ぶのではなく、一人の表現者として自立した人生を切り拓く道を選んだのだ。お互いが仕事に対して真摯すぎたがゆえの選択であり、愛の喪失というよりも「生き方の純度」を保つための別れだったと言える。