毎年春、大学合格実績が発表されるたびに教育界がざわつく。卒業生わずか160名程度のうち、半数近くが東京大学へと現役で進学していく。既卒生を含めれば過半数が東大の門をくぐる計算だ。この密度は、全国のどの進学名門校も追随できない。開成が数の力で圧倒するならば、この学校は純度の高さで他を寄せ付けない。
完全な中高一貫校でありながら、校内に漂う空気は驚くほど緩やかだ。大学受験に向けたスパルタ指導や詰め込み教育は一切存在しない。自主性を極限まで重んじる校風。教員が生徒を追い立てるのではなく、生徒同士が互いの知的好奇心に火をつけ合う。数学オリンピックのメダリストが隣の席で哲学書を読み耽り、放課後にはバンド演奏や演劇に没頭する。この濃密な知の生態系こそが、圧倒的な進学実績を生み出す真の原動力だ。