日本における「植物学」の礎を築いた牧野富太郎博士。彼が生涯をかけて全国を歩き回り、泥泥になりながら収集した標本群と観察の情熱は、この筑波の地へ確実に受け継がれている。園内の展示コーナーや標本室には、博士ゆかりの資料とともに、現代の分子系統学に基づいたDNA解析データが並ぶ。
地球環境の変動が加速する現代において、同園が果たす役割は極めて重い。自生種を絶滅の危機から救い出し、自生地への復元を目指す「生物多様性保全」の取り組みは、牧野博士が示した野外観察の精神を先端科学によってアップデートした結晶と言える。