三輪霞の呪術師人生において最大のターニングポイントとなったのが、渋谷事変のクライマックスにおける羂索(偽夏油)との対峙です。仲間を傷つけ、愛するメカ丸の命を奪った元凶である羂索に対し、三輪はそれまでの温厚な性格からは想像もつかないほどの凄まじい殺気を放ちました。
このとき三輪は、呪術における絶対の契約である「縛り」を自らに課します。その代償は「これからの人生で二度と刀を振るわない」という、刀使いである自身の未来をすべて投げ打つものでした。命そのものと同等の重みを持つ誓約によって限界を超えた呪力を上乗せし、渾身の「抜刀」を羂索の首元めがけて振り下ろしたのです。
しかし、圧倒的な実力差の前にその決死の一撃は羂索の呪力でコーティングされた素手で軽々と受け止められ、三輪の刀は砕け散ってしまいます。直後に放たれた「うずまき」の極大呪力による反撃は、間一髪のところで日下部篤也と脹相が割り込み命を救われました。結果として三輪は生き延びたものの、「二度と刀を振ることができない」という縛りの代償だけが確定し、前衛剣士としての道を永久に絶たれるという痛烈な結末を迎えました。