かつて「最強のふたり」と称され、呪術界の未来を担う大器と目されていた夏油傑。しかし、星漿体・天内理子を巡る悲劇的な事件と、愚かな非術師たちの醜悪な悪意を目の当たりにしたことで、彼の内面は決定的に磨耗していった。呪霊を吐き戻しながら取り込み続けるという壮絶な苦痛の日々。その果てに彼が選んだのは、呪霊を生み出さない「呪術師だけの世界」を創ることだった。
自らの正義を貫くために呪詛師へと堕ち、かつての仲間や家族すら捨て去った男の姿は、単なるヴィランの枠にとどまらない。彼が抱いた絶望と純粋すぎる理想は、今や現代社会の不条理を映し出す鏡として、多くの観客の心理を強く揺さぶり続けている。