ふたりの出会いは1970年代前半、共通の知人を介した食事の席でした。当時、舟木一夫は20代後半、紀子さんは20歳前後の一般女性でした。当時すでに国民的スターとして名を馳せていた舟木一夫ですが、華やかな世界にいながらも、紀子さんの飾らない素朴な人柄と物事に動じない芯の強さに深く惹かれたといいます。
舟木一夫は当時の心境について、自著や回想インタビューの中で「彼女は『歌手・舟木一夫』ではなく、本名の『上田成幸(うえだしげゆき)』という生身の人間として接してくれた」と語っています。周囲がスターとして特別扱いする中、利害関係なく対等に向き合ってくれる紀子さんの存在は、激務とプレッシャーに晒されていた舟木にとって唯一無二の安らぎとなりました。
1974年に二人はゴールイン。舟木一夫が29歳、紀子さんが22歳前後の時でした。しかし、この結婚生活の幕開けは、彼が芸能生活最大の試練へと突入していく波乱のプロローグでもありました。