当時の特番インタビューや制作発表、舞台挨拶エピソードを紐解くと、二人の間にある「本物の信頼」を裏付ける言葉が数多く残されています。中井貴一は小泉今日子のことを公の場でも親しみを込めて「小泉くん」と呼び、小泉今日子もまた「貴一さん」と呼びながら全幅の信頼を寄せていました。
インタビュー対談の中で、中井貴一は小泉今日子の役者としての器について次のように語っています。
「小泉くんは、自分がどう見られるかではなく、作品全体がどう面白くなるかを常に考えている。どんな球を投げても必ず打ち返してくれるという絶対的な安心感があるからこそ、和平と千明のあの掛け合いが生まれた」(公式対談より要約)
これに対し小泉今日子も、中井貴一の圧倒的な受けの芝居と現場のまとめ役に敬意を表し、「貴一さんとのお芝居は、まるでジャズのセッションのよう。台本という譜面はあるけれど、その場の呼吸で音が跳ねる感覚が本当に楽しかった」と述懐しています。舞台挨拶の現場でも、中井貴一が絶妙な毒舌を交えて会場を沸かせ、小泉今日子が豪快に笑って突っ込むという、劇中そのままの仲良しエピソードが度々目撃されていました。