ここで国際社会が強い関心を寄せるのが、中国の二面性である。自国は日本に対して長期の政府開発援助(ODA)の借入金を返済し続ける「債務国」の一面を持ちながら、世界に向けては「巨額のインフラ出資国」として君臨しているからだ。特に習近平国家主席が推進する広域経済圏構想「一帯一路構想」のもと、アジアやアフリカの新興国に対して数千億ドル規模のインフラ融資を実施してきた実態は、強烈なコントラストを描き出している。
スリランカやザンビアなどの新興国が中国からの借入金返済に苦しみ、「債務の罠」が国際的な批判を浴びる一方で、中国自身は日本のJICAに対して極めて低金利かつ優遇条件の対中円借款事業の返済を行っている。この奇妙な非対称性は、国際金融・経済政策の議論においてたびたび冷ややかな指摘を受けるポイントだ。「日本から受けた開発支援の果実で成長した中国が、他国に対してはより厳しい条件で資金を貸し付けている」という構図が、国際政治の複雑さを如実に示している。