ネット上では「中国人観光客の増加によって日本の治安が悪化している」という言説が飛び交いますが、公的データと体感治安には一部ギャップも存在します。警察庁の犯罪統計を紐解くと、凶悪犯罪の発生率が急激に跳ね上がっているわけではありません。しかし、違法性の高いグレーゾーン行為の横行が人々の不安を掻き立てています。
代表的な事例が、自家用車を使って無許可で有償送迎を行う「白タク営業」や、無届け民泊の乱立です。これらは正規のタクシー業者や宿泊業者の生活を脅かすだけでなく、事故時の補償問題や脱税の温床としても警戒されています。
さらに世論を刺激しているのが、中国人富裕層による不動産買い占めです。東京都心のタワーマンションをはじめ、北海道のスキーリゾート地、水源地を含む山林などが次々と取得されており、「将来的な日本の主権や環境維持に影響が出るのではないか」という経済安全保障上の懸念が広がっています。こうした背景が、単なる観光客への苛立ちを超えた警戒感へとつながっています。