中国外交部(外務省に相当)の報道官は、情報局にあたる「新聞司」の司長(局長)および副司長が兼任するポストです。平日の午後、北京の外交部庁舎「藍庁(ブルーホール)」で開かれる定例記者会見は、中国政府の公式見解を世界へ同時発信する唯一無二のステージとなっています。
現在の報道官チームは、2026年9月に就任した毛寧(Mao Ning)氏と、2026年3月にデビューを果たした林剣(Lin Jian)氏が中心となってローテーションで登壇しています。かつて記者を睨みつけるようなスタイルで話題を呼んだ趙立堅氏の時代と比べると、事実関係を淡々と読み上げつつ、急所では一歩も引かない洗練された受け答えが特徴です。
中国報道官の歴史は1983年の制度創設に遡り、これまでに30名以上がその任を務めてきました。主な歴代報道官の変遷を振り返ると、中国の国力増大とともに報道官の役割が「防御的な釈明」から「攻撃的な国威発揚」へと劇的に変化してきた経緯が浮かび上がります。