『山月記』の結末で、李徴は自らの醜態を友に見せぬよう草むらに隠れ、最後は岩の上で月に吠えて姿を消します。一見すると絶望的なバッドエンドに見えますが、彼は友である袁傪に対して心の底の恥部をすべて打ち明け、自作の詩を託し、妻子の未来を委ねることができました。
人は誰しも、心の中に「臆病な自尊心」という猛獣を飼っています。その猛獣を野放しにして孤立するか、あるいは弱さを受け入れて他者と手を取り合うか。中島敦が遺した峻厳なメッセージは、情報が錯綜し自意識が揺らぎやすい現代を生き抜くための、最も確かな羅針盤となってくれるはずです。 (出典: 中島 敦 山 月 記(Yahoo!ニュース))
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