歴史と並び、この土地の精神的支柱となっているのが神事としての伝統行事だ。祝い事があるたびに一晩中かけて行われる隠岐古典相撲は、勝者だけでなく敗者にも敬意を払い、二番勝負で一勝一敗にして称え合うという全国的にも極めて珍しい流儀を持つ。争いを超えた共同体の絆を重んじる精神が、ここには色濃く残っている。
この情熱的かつ崇高な相撲文化を全国に知らしめたのが、錦織良成監督による映画『渾身 KON-SHIN』だ。島民たちが総力で撮影を支え、自らの伝統をスクリーンに刻み込んだ感動の名作は、今なお多くの映画ファンの聖地巡礼を呼び込んでいる。