「指のタコが当たると痛い」「触るとチクッとする」という場合、それは単純な胼胝(タコ)ではなく、「魚の目(鶏眼)」または「ウイルス性イボ(尋常性疣贅)」である可能性が極めて高くなります。本来、タコは外側に向かって平たく角質が盛り上がるため、神経を直接圧迫しにくく、初期〜中期には自発痛や圧痛がほとんどありません。一方、魚の目は角質の芯が真皮層(神経のある深部)に向かって楔(くさび)状に深く食い込むため、垂直に押すと鋭い痛みが走ります。
さらに警戒すべきは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」です。手の指は物に触れる機会が多いためウイルスが侵入しやすく、見た目がタコに酷似していることから誤認されがちです。イボの内部にはウイルスによって増殖した微細な毛細血管が入り込んでおり、表面をよく観察すると「黒い微小な点々(点状出血)」が見られるのが特徴です。イボに対してタコ用のヤスリがけや削り取りを行うと、ウイルスを周囲の健康な皮膚や他人の手に撒き散らし、多発・巨大化させる最悪の結果を招きます。